小笠原諸島は、東京から約1,000km南に位置する亜熱帯の島々です。これらの島々は、誕生から一度も陸続きになったことがないため、生き物が進化を遂げた結果、ここにしかいない固有の生き物たちがすみ、それらが織り成す独自の生態系が形成されています。このような生態系が、小さな海洋島における生物進化を示す典型的な見本として世界的な価値を持つことが認められ、平成23年(2011年)6月に世界自然遺産に登録されました。一方、人の暮らしや産業に影響を受けた生態系では、数を減らす生き物たちがいます。そんな生き物たちが再び安心して暮らせる保全対策を人の手で進めています。
令和3年(2021年)は、世界自然遺産登録10周年にあたる節目の年です。その10年の出来事や保全対策の軌跡と小笠原の自然を “未来へ” “暮らしに”と“紡ぐ” 23組31名の人々の言葉をパンフレットにまとめました。生き物たちが進化を続ける世界自然遺産の島で、どんな変化が起こっているか、どんな人々が自然と暮らしを紡いでいるか、ぜひご覧ください。
小笠原諸島世界自然遺産 登録から10年の軌跡
その「紡ぐ」をヒントに、糸車をかたどったマイマイが10周年の「10」の文字を紡ぎ出している様子をイメージしたロゴマークを作りました。文字の部分には、波とヒメツバキ、オガサワラカワラヒワ、マイマイ、オガサワラシジミを配し、小笠原の多様な自然を表現しています。
ご使用になりたい方はこちら→ ロゴマーク小笠原には、個性的な生き物たち:Oganimals(オガニマルズ)がすんでいます。
令和3年度に実施した世界自然遺産に関する村民意向調査の人気投票で選ばれた10種のOganimalsの魅力的な写真と、外来樹木であるアカギ・リュウキュウマツを活用した写真立てを記念ノベルティとして製作しました。裏面では2022年のカレンダーとともにOganimalsに縁の深い人々が“思い”や“愛”を紡いでいます。
■開催報告
遺産登録からちょうど10年となる令和3年6月26日には、多くの人々に小笠原諸島の魅力を発信するために、「小笠原諸島世界自然遺産地域登録10周年記念式典」をオンライン開催しました。
同年夏、多くの魅力を有する小笠原諸島を次の10年、さらにその先へつなげていくためにも「後世まで伝えたい小笠原の魅力」をテーマとした「小笠原諸島世界自然遺産地域登録10周年記念フォトコンテスト」を開催しました。
秋から冬にかけては、小笠原世界遺産センター、小笠原ビジターセンター、母島村民会館にて、「進化と変化を続ける島々から聞こえてくる声 展」を開催しました。
「声のヌシ」として、遺産や自然保全に関わる「紡ぐヒト」と生き物(在来種、外来種)が登場するパネル展示の他、オガサワラグワの紹介展示や子ども向けのスゴロク等の体感型展示も行いました。
令和4年1月には、世界最初の世界自然遺産地域であるガラパゴスとの交流を深めるため、ウェブ講演会と写真展を開催しました
同年2月、世界自然遺産地域としての小笠原諸島について、科学的見地から評価し、未来へつないでいくために、「小笠原学術研究会」を開催しました。
学術研究会と同じ頃、世界自然遺産の取組に関わる人々にスポットを当てた7つの番組を、村のケーブルテレビ(11チャンネル)で放送しました。同年3月からはインターネット配信も開始しています。
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