オガサワラカワラヒワ

小笠原固有種のアトリ科の鳥類で、環境省レッドデータでは絶滅危惧IA類 (CR)に、種の保存法では国内希少野生動植物種に指定されています。
小笠原諸島の中で母島列島と南硫黄島のみに分布しています。
従来は本土にも広く生息するカワラヒワの1亜種とされてきましたが、2020年5月に小笠原固有種であることが分かりました。
体長は14㎝ほど、オスは全身がオリーブグリーンをしており、メスは薄茶色をしています。共に風切り羽の一部に黄色が入ります。
本土のカワラヒワと比べ、体は小さく、くちばしは大きいのが特徴です。
かつては小笠原諸島の全域で広く分布していましたが、1995年頃から年々減少傾向を示し、母島列島でも近年急速に数を減らしています。
減少の主な原因はネズミによる卵の捕食、地面に降りて種子を食べている際にノネコに襲われる、などが考えられています。
現在危機的な状況にあるオガサワラカワラヒワの保全のため、民間団体を中心として「保全計画作り」ワークショップや講演会が行われ、環境省でも繁殖地である母島列島の向島でネズミ対策を進めています。