オガサワラシジミ

小笠原固有種のシジミチョウであり、国の天然記念物に指定されています。また、環境省レッドデータでは絶滅危惧ⅠA類(CR)に指定されています。
全長12~15㎜程度の小型のシジミチョウで、オスの翅の表面は美しいコバルトブルーの輝きを見せます。
父島、兄島、弟島、母島、姉島での分布の記録がありしたが、1980年代以降急速にその姿を減らし、父島では1992年以降生息が確認されておらず、母島でも2018年6月確認されていません。
グリーンアノール(外来種のトカゲ)による捕食、また幼虫の主要な餌であるオオバシマムラサキの樹のアカギやギンネムといった外来の大型樹との競合による衰退、台風や干ばつなどの気候要因、またコレクターによる捕獲圧、などが原因と考えられています。
2005年から多摩動物公園の手により小笠原域外での繁殖の取り組みが開始、2013年ころから母島で生息域のグリーンアノール対策やオオバシマムラサキの栽培や保護増殖、2019年には新宿御苑での域外繁殖などの取り組みが行われてきましたが、残念ながら2020年8月25日、域外飼育していたすべての個体が死亡しています。