オガサワラオカモノアラガイ

 

小笠原諸島に分布する唯一のオカモノアラガイ科の陸生貝類2種のうちの1種で、樹上性(樹の上部で生活する)で小笠原固有種のカタツムリです。

国指定の天然記念物であり、環境省レッドデータでは絶滅危惧II類 (VU)に指定されています。

父島では1980年代後半まで夜明山周辺などで姿を見ることができましたが、現在は絶滅したものと考えれられています。一方、母島では現在でも山域の雲霧林などで、雨上がりにツルダコなどの葉の上などを探すと出会うことがあります。

体長は3㎝程で、殻が小さく退化してナメクジ状になり、半透明のゼリーのような不思議な姿をしています。

近年、小笠原の陸産貝類は干ばつによる乾燥、ネズミやニューギニアヤリガタリクウズムシ(プラナリア)などによる捕食によりその生息環境が大きく脅かされています。

プラナリアは塩や酸に弱いため、父島から母島への移動の際は、定期船「ははじま丸」乗船前に洗い場で靴底を海水で洗ったり、山域に入る際には靴底に薄めた酢をスプレーするなどの対策で、プラナリアの脅威を大きく減らすことができますので、ぜひご協力ください。

 

監修協力:千葉聡 東北大学大学院生命科学研究科教授

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