プロジェクトの背景

 現在、小笠原の自然環境を守るためにいろいろな取組が行われています。特に、世界自然遺産の価値があるとして評価された多くの固有生物とそれらが織り成す特異な生態系を保全するため、ノヤギやグリーンアノール、クマネズミ、プラナリア類など、様々な外来種対策を実施しています。
 その一方で、そのような対策に対し、村民の皆様からは、物理的・心理的に距離を感じるとの声もあります。
 そこで、小笠原村では、村政の基本理念「人と自然の共生する村づくり」のもと、平成30年度の小笠原諸島返還50周年を契機に、小笠原の自然を身近に感じられる場と機会の創出を目的とした「村民参加の森づくりプロジェクト」を実施しています。

プロジェクトの概略

小笠原固有の樹木であるオガサワラグワ(通称オガグワ)は大木のものが多く、その美しい木理・木目から材として重宝されたため、明治期頃には数が激減してしまいました。現在、この木を身近に見ることはなかなかありません。一方で、林野庁と森林総合研究所 林木育種センターが行っているオガサワラグワの野生復帰試験では、父島・母島由来のクローン苗を育成し、父島および母島でのオガサワラグワの野生復帰を図っています。

そこで、平成30年度の返還50周年事業の一環として、上記の試験によって育成された苗の提供を受け、平成30年11月に「母島の森」、12月に「オガグワの森(父島)」に植栽しました。これを契機に、それぞれの森の維持管理を村民と一緒に長期的に継続することで、かつての小笠原の森へとゆっくりと転換することを目指しています。

 

村民参加の取組結果(平成29年度~令和3年度)別ウィンドウで開きます


父島に残るオガグワの切り株

オガグワの森

対象地は、父島中央部の長谷ダム上流の2つの沢に挟まれた約1haの村有地です。かつては農地利用されており、現在は、ヒメツバキ・モクタチバナなどの在来樹とアカギ・キバンジロウなどの外来樹が混成した二次林となっており、一部に良好なマルハチ・メヘゴ群落が残っています。沢にはオガサワラクロベンケイガニやオガサワラヨシノボリ、オガサワラヌマエビ、オガサワラカワニナなどの固有種が多く生息しています。

 

オガグワの森ハンドブック(令和4年度)別ウィンドウで開きます


オガグワの森の入口

母島の森

対象地は、母島の静沢集落の北側に位置する避難路を兼ねた散策路沿いです。かつては農地として利用されていたようですが、現在はギンネムやササを中心とした外来樹が繁茂する単調な森となっています。


母島の森の入口

森づくり通信

 村民参加の森づくりプロジェクトの取組について広く発信するため、年に数回ほど各種通信を作成しています。

オガもり通信

ハハもり通信

オガグワ通信


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