世界自然遺産小笠原諸島管理計画の改定について(お知らせ)

小笠原諸島世界自然遺産地域は、平成22年に策定された「世界自然遺産推薦地小笠原諸島管理計画」に基づいて保全管理が行われてきたところですが、今般、環境省、林野庁、文化庁、東京都及び小笠原村は、世界自然遺産登録後の新たな知見や状況を踏まえて現行計画を見直し、「世界自然遺産小笠原諸島管理計画」を策定しました。

また、小笠原村の村内において、平成30年2月1日から16日まで、改定案について公告・縦覧を行いました。いただいたご意見と対応の考え方をとりまとめましたので、あわせてお知らせします。

1.概要

環境省、林野庁、文化庁、東京都及び小笠原村は、平成22年1月に「世界自然遺産推薦地小笠原諸島管理計画」を策定し、同計画に基づいて、小笠原諸島世界自然遺産地域(以下、「遺産地域」という。)の保全管理を行ってきました。 近年、小笠原諸島をめぐっては、新たな地域への外来種の侵入に伴い、総合的な外来種対策の見直しが必要となっている一方で、特定の外来種対策の進展に伴い、固有種の回復が確認されるなど、現行計画の策定から8年の間に、世界自然遺産登録もはさみ、様々な状況の変化が見られます。このため、新たな知見や状況の変化を踏まえて現行計画を見直し、「世界自然遺産小笠原諸島管理計画」を策定しました。

2.管理計画改定のポイント

  • 管理計画の改定に当たって、地域住民や地域の関係団体に参画いただき、小笠原諸島世界自然遺産地域連絡会議の部会を平成28年度から7回開催し、地域住民の生活や産業と世界自然遺産との関係性について改めて議論を行った。それを踏まえて、地域からの意見を計画に反映した。
  • 自然環境に関する記述について、小笠原諸島世界自然遺産地域科学委員会の委員の協力により、陸産貝類をはじめとした小笠原諸島における各生物相の位置付けや、平成25年から活動を再開し拡大しつつある西之島などについて、最新の知見に基づいた情報に更新した。
  • 平成23年の世界遺産登録時に、世界遺産委員会で決議された小笠原諸島の顕著な普遍的価値を明記するとともに、要請事項やその対応状況を示した。
  • 現行計画の策定以降、法・制度に基づく新たな動き(エコツーリズム推進法に基づく小笠原エコツーリズム推進全体構想の認定や、種の保存法に基づく国内希少野生動植物種の指定等)や、新たに整備し、運用を開始した施設(小笠原世界遺産センター)、新たに構築した枠組み(おがさわら人とペットと野生動物が共存する島づくり協議会等)を記載した。
  • 各種対策の進展に伴う在来種や希少種の回復に関する新たな情報として、
    • 外来植物の排除に伴い、在来植物群落が回復しつつある場所が増加(例えば、兄島ではウラジロコムラサキなどの固有種が増加)
    • クマネズミを根絶した東島で、平成27年に世界で唯一オガサワラヒメミズナギドリの営巣地を確認
    • ノネコ対策の進展に伴い、父島や母島ではアカガシラカラスバトの確認が増加し、母島では、カツオドリやオナガミズナギドリの繁殖数が増加
    • 聟島列島では、アホウドリの保護増殖事業計画に基づく繁殖地形成の取組によって、平成28年に聟島でアホウドリの繁殖を確認
    等を記載した。
  • 侵略的外来種に関する状況の変化とその対応状況として、
    • 父島に残る陸産貝類の生息地におけるニューギニアヤリガタリクウズムシの侵入範囲の拡大等を受けて、生息域外保全(室内飼育と繁殖技術の確立等)を進めていること
    • 兄島で平成25年にグリーンアノールが新たに確認されたことを受けて、侵入防止柵の設置と捕獲による対策を実施していること
    • 兄島で過去に殺鼠剤を散布した後にクマネズミが急激に増加し、平成26年頃から陸産貝類の減少が顕著になっていることを受けて、殺鼠剤の再散布を行うなど、必要な取組を実施していること
    • 母島でツヤオオズアリにより小型の陸産貝類が摂食されており、駆除を実施していること等を記載した。
    等を記載した。
  • 侵略的外来種対策に当たって、
    • 遺産地域の生態系が、外来種を含めた多くの生き物の相互作用で成り立っていることを踏まえて、対策実施に伴う種間関係の変化を予測しながら、順応的に管理すること
    • 遺産地域の生態系の機能が、固有種や希少種だけでなく、それ以外の多くの生き物によって担われている場合があることに留意しながら、順応的に管理すること
    • 南北400kmにわたって連なる島々の生態系が、島間を飛翔する動物や海流などによって分布を広げる植物など、広域を移動する種によって結びついていることから、広域的な視点により管理すること
    等を明確に位置付けた。
  • 世界自然遺産の価値やその保全に対して、地域住民や来島者の理解・協力を得ることの重要性を記載した。
    遺産地域における生態系保全の取組について広く理解を得られるよう、遺産地域の自然や生態系保全に関連する用語の説明、生態系保全のガイドライン等の一覧等を記載した。

3.添付資料


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