小笠原では、海によって隔たれた小さな島において独自の進化を遂げた多くの固有の生き物やそれらが織りなす生態系を見ることができます。 小さな海洋島における生物の進化を示す典型的な見本として、世界的な価値を持つことが認められ、世界自然遺産に登録されることになりました。
元々同じ種類の生き物が環境の違いによってそこに適した形や色へと変化し、多統計にわかれることを「適応放散」といいます。
小笠原においても、この「適応放散」を見ることができます。
例えば、小笠原のカタツムリのうち、カタマイマイというグループは、木の上で暮らすものは淡い色の、土の上で暮らすものは暗い色の殻を持つなど、適応放散によっていろいろな種類に進化してきました。
化石(貝殻)やいま生きている種類を比較することにより、進化の歴史が分かります。
乾性低木林
また、父島や兄島では、「乾性低木林」と呼ばれる背の低い林がたくさん広がっています。乾性低木林は、父島や兄島の乾燥した気候に合わせて、葉の形を変え るなどの進化をした固有の植物たちが生育しています。 適応放散の他にも、草が樹木へ変化したり、植物の雄雌がわかれるなど、海洋島に特徴的な進化様式を見ることができます。