動植物:父島

島の野鳥 大村海岸周辺

平地の少ない父島では、大村海岸や大神山中央公園周辺(おまつり広場)はシギ、チドリ類などの休憩所・採餌場で、6~8月を除きほぼ一年中観察できます。

メジロ   キョウジョシギ   ツバメチドリ
メジロ

島で繁殖するメジロ、イソヒヨドリ、ヒヨドリなどは年間を通して見られます。あまり人を恐れないため、間近で観察できます。
  キョウジョシギ

夏を除き、多くの野鳥を周辺で観察できます。人が少ない朝夕にはシギ類やサギ類が芝生の広場に集まっていることもあるので、遠くからそっと観察しましょう。
  ツバメチドリ

長い距離を移動する渡り鳥にとって、小笠原諸島は渡りの中継地点となります。 春や秋には、ヤツガシラやツバメチドリをはじめ、思わぬ珍鳥が出現することもあります。
         
カツオドリ   ムナグロ   セグロカモメ
カツオドリ

大村海岸から二見湾内を望むと、湾内上空に海鳥が舞い込んでいることもあります。(その他:オナガミズナギドリ、シロハラミズナギドリ等)
  ムナグロ

越冬先として飛来(その他:キョウジョシギ、アマサギ、コサギ等) 大村海岸周辺で出会えます(その他:キョウジョシギ、アマサギ、イソシギ、ハクセキレイ、シロチドリ)
  セグロカモメ

年によってはウミネコ、セグロカモメがたくさんやってくることもあります。
         
アオサギ        
アオサギ

大村川河口付近や、大村海岸にて出会えます。(その他:コガモ、カルガモ、コサギ、ゴイサギ、キアシシギ、アオアシシギ)
       


島の野鳥 三日月山付近、長崎~釣浜~宮之浜遊歩道

小笠原にしかいない野鳥が飛んでいます。じっくりと観察してみましょう。
大陸から遠く離れた小笠原諸島は鳥にとっても遠いようです。運良く島に住み着いた種は少ないです が、長く外界から隔離された環境によって、いくつかの鳥 は小笠原固有の種へ分化していったと考えらます。しかし、19世紀以降の開拓による環境の激変によって、その多くが絶滅してしまいました。

また、現在もアカガシラカラスバトをはじめとする5種も鳥(オガサワラノスリ、シマハヤブサ、ハハジマメグロ、オガサワラカワラヒワ)には絶滅の恐れがあります。

小笠原諸島の自然は、私達にとってかけがえのない財産です。失うことのないよう、ここに暮らす者、訪れる者1人1人が節度を守って接しましょう。
アカガシラカラスバト   オガサワラハシナガウグイス   オガサワラヒヨドリ
アカガシラカラスバト

天然記念物。国のレッドリストで絶滅危惧IB類に指定されている。頭部が赤いほかはカラスのように黒く、太くて丈夫な足で森を歩き回る。牛のように低く響く声で鳴く。
  オガサワラハシナガウグイス
(固有亜種)

山道でよく出会います。
  オガサワラヒヨドリ
(固有亜種)


山道でよく出会います。
         
イソヒヨドリ   オガサワラノスリ   No Image
イソヒヨドリ

雄は瑠璃色で腹部の赤茶色とのコントラストも綺麗だが、雌は成長しても全身灰色。少し開けた場所にて出会えます。
  オガサワラノスリ
(固有亜種)


天然記念物です。天気の良い日、上昇気流に乗って空高く舞い上がります。
  ツバメ

崖地にいます。春と秋には三日月山展望台下の崖などで乱舞する姿が見られるが、島では子育てしません。
         
トラツグミ        
トラツグミ

夜間に「ヒー・ヒー」と寂しく澄んだ声で鳴く。名のとおり黄と黒の模様をしているが、トラの模様とは異なる。
       

島の植物

固有種
シマイスノキ   テリハハマボウ   ムニンネズミモチ 
シマイスノキ

マンサク科 花期11~1月 果期6月頃
イスノキは常緑高木であるがシマイスノキはこんもりした常緑低木であり、群落をつくる乾性低木林の代表である。赤い花を多数つけるが小さいので気をつけないと見落としてしまうことがある。果実は先が二つに割れる。
   テリハハマボウ

アオイ科 花期果期ともほぼ一年中
島名を「モンテンボク」という、これは先住移民が英語とハワイ語を一つにして「Mountain hau」と呼んでいたことに由来する。海岸にあるオオハマボウから分かれ固有種になったと考えられている種で興味深い。
  ムニンネズミモチ

モクセイ科 花期3~4月 果期1~2月
ネズミモチの名は黒紫色の果実がネズミの糞に似ていることからついた。葉は主脈だけはっきりしていて、山頂や尾根の岩場近くにあるものは特に厚く堅い。
         
ムニンアオガンピ   タコノキ   タチテンノウメ
ムニンアオガンピ

ジンチョウゲ科 花期4~5月 果期12~1月
枝先に黄緑色の小さな花を付け果実は赤く熟す。島名を「サクラコウゾ」という。以前は樹皮から紙を作ったことに因みこの名がつけられた。
  タコノキ

タコノキ科 花期6~7月 果期10~11月頃
小笠原の景観を代表する常緑高木、幹の高いところから発根し、あたかもタコが足を広げているように見えるところからこの名がついたという。島では葉を利用したタコの葉細工が人気で、多くの観光客や愛好家に親しまれている。
「小笠原村の木」に指定されている。
  タチテンノウメ

バラ科 花期3~4月 果期9~10月
沖縄のテンノウメは海岸にあって匍匐性であるが、タチテンノウメは名のとおり1.5メートルほどの高さになる。サンショウに似た小さな葉を並べ、光沢があり、花とのコントラストを楽しみたい。
         
シマムロ   シマタイミンタチバナ   No Image
シマムロ

ヒノキ科 花期3~4月 果期10~12月
小笠原にある唯一の針葉樹で樹脂を含むため以前は焚きつけに使われたことから島名を「火出の木」という。伐採によって個体数が激減し今は枯木の採取も禁止されている。
葉は鈍頭でほとんど弓状にまがらない。
  シマタイミンタチバナ

ヤブコウジ科 花期1月 果期12月
葉には変化が多いが、この遊歩道にあるものは細く縁を内側に巻き込んでいる。丸い葉のものをマルバタイミンタチバナとしている。
  コヤブニッケイ

クスノキ科 花期3~4月 果期8月頃
クスノキ科の植物は、葉や樹皮に精油成分を含んでいるため芳香を発する。コヤブニッケイの新葉を紅茶の代用にしていたことから島名を「ティーウッドゥ」という。
         
ヤロード   オガサワラグミ   No Image
ヤロード

キュウチクトウ科 花期4~5月 果期10~11月
枝も葉も輪生状に出る。側脈が横に入る。葉が取れるとはっきりと葉痕が残る。おしりをつけたように左右に分かれた長楕円形の分果は黄色く熟す。
  オガサワラグミ

グミ科 花期11~12月 果期3月
枝の先にいくほど金茶色になり、葉の裏は銀白色で美しく油点がちりばめられている。先が四裂した花はがくが発達したもので花弁はなく果実にはがく筒の上部が残る。小笠原の蒼い海をバックに朱色の果実はよく映える。
  ハツバキ

トウダイグサ科 花期6月頃 果期11~12月
近縁といわれれるツゲノドキの葉には、まばらに鋸歯があるが、ハツバキは全緑であり先の丸い楕円形で風衝地にあるものは葉肉が厚い。梅の実に似た果実はよく目立つ。

広分布種
シャリンバイ   ハウチワノキ    コバノアカテツ
シャリンバイ

バラ科 花期12~3月 果期11月
梅に似た花が車輪のように集まって咲くことからこの名がついた。堅く腰のある材で、島では鉈の柄や船の股木などに利用されていた。島名はAxhandleが訛ってサンドルという。本州では4~6月に開花する。
  ハウチワノキ

ムクロジ科 花期4~5月 果期7月
熱帯から亜熱帯に広く分布する。小笠原では尾根筋近くでよく見かけるが本来は海岸性植物。実を横から見るとウチワのように見えるところからこの名がついた。
  コバノアカテツ

アカテツ科 花期6~7月 果期10~11月
シマイスノキと共に乾性低木林の主要樹種。枝や葉、とくに葉裏や新葉は赤褐色で美しく、この色が島の景観に独自性を与えている。
         
シマモクセイ   クロガヤ    
シマモクセイ

モクセイ科 花期11月 果期3月
材が堅いことからナタオレノキともいう。八丈、九州、四国、琉球、台湾等に分布する。俗名には「香り高い花」という意味があり、キンモクセイなどもこの属である。
  クロガヤ

カヤツリグサ科 花期11月 果期3~4月
株状で1メートルほどの高さにまでなる。線形の葉は大変に強く簡単には切れないのでつまずくこともある。
   

移入種
人為的に持ち込まれた動植物が野生化し広がったもの。生態系に大変な悪影響を与えるとともに景観を損ねている。
島に動植物を持ち込む場合はその扱いに細心の注意が必要である。
モクマオウ   リュウキュウマツ   No Image
モクマオウ

モクマオウ科 花期5月 果期秋
かつて薪炭材として持込まれ戦後野生化した。一見、針葉樹に見えるがそうではない。オーストラリア原産。
  リュウキュウマツ

マツ科 花期3月 果期秋
薪材として明治32年に琉球より持ち込まれた。アカマツとクロマツの中間型といえる。
  ホナガソウ

クマツズラ科 花期5~10月 果期秋
株状で1メートルほどの高さにまでなる。花期には紫色の小花をつける。根際が木本化する。日当たりのよい裸地に群生している。